第Ⅱ回 ケアマネジメントスキルアップ講座
研修テーマ「医療的ケアを必要とする人へのケアマネジメントの展開」
■ 日 時 平成24年6月2日(土)
■ 場 所 築地浜離宮ビル
■ 参加者 会員 80名 非会員 15名 合計95名
指定居宅介護支援センターそらいろのたね
岸 治代
厚生労働省が推進する「地域包括ケアシステム」の実現に向けた動きの中で、平成24年度の介護報酬改訂において介護職の医療行為の拡大が図られましたが、社会に認知され、現場に定着させていくための共通理解を育てていく時間が必要です。利用者や家族の理解が得られ、サービスを提供する側が自信を持って安全に役割が果たせるための環境づくりにケアマネジャーがどのように関わっていけば良いのかを学びたくて参加させていただきました。
介護職員等に対する研修について、日本訪問看護財団常務理事の佐藤美穂子先生からは、実地研修などの対象者一人一人に応じた観察、具体的な手技などは現場で行っていく方が良いのではないかというご提言がありました。愛媛県でも大変だったようです。また、在宅では酒精綿1枚から節約している家もあり、マニュアル通りにはいかないことがたくさんある場合にどうするかと言った問題に、医師や看護師の指導的役割がとても重要になってくることが分かりました。
施設の立場からお話いただいた台東区社会福祉事業団の千葉明子先生からは、かかりつけ医から実施する介護職の損害保険の加入の有無の確認があったことや、介護職の医療行為に対する指示書を書かないと言われた事例があったことなど、今後、想定しておかなければならない事態への示唆をたくさんいただきました。
一方では、加齢に伴う衰退に対する医療の在り方についての議論があります。ケアマネジャーはそれらの動きの中で、利用者や家族に寄り添い、彼らの声を専門職や関係者にきちんと伝えていく力を養っていく必要性を強く感じています。
研修の最後に、胃ろうを拒否した事例を用いた演習がありましたが、対象者を理解し何が起こっているのかを冷静に把握し、地域の社会資源を有機的につないでいくための話し合いが持たれ、とても刺激になりました。
1日の研修でしたが、講師の先生方、ご参加の皆様とご一緒できたこと、喜びと誇りに感じております。ありがとうございました。
日本ケアマネジメント学会会員80名、非会員15名の方が参加されました。
日本ケアマネジメント学会理事の先生の講義
講義1・2 佐藤美穂子
「医療的ケアと法制度」
「医療的ケアを必要とする高齢者の特徴」
講義3 亀井智子
「吸引を必要とする高齢者のアセスメントと留意点」
講義4 高砂裕子
「経管栄養を必要とする高齢者のアセスメントと留意点」
講義5由良久美子さん 「在宅医療を必要とする高齢者へのケアマネジメント」
講義6千葉明子さん 「医療を必要とする施設入所者へのケアマネジメント」
グループ討議:与えられた事例について、相談にどのように対応するか?
自宅へ帰るケアプランを作成する際の留意点についてを話し合いました。
グループ代表者の発表
日本ケアマネジメント学会研修委員会委員長亀井理事からのまとめ