日本ケアマネジメント学会の一般社団法人への移行について

                 理事長   橋 本 泰 子
 日本ケアマネジメント学会は、平成13年7月14日に創立され、10周年の節目に当たる本年8月10日、東京法務局申請の一般社団法人設立登記が完了し、ここに目出度く法人格取得となり一般社団法人へ移行しました。会員の皆様と共に心から慶びたいと思います。
 任意団体の日本ケアマネジメント学会を一般社団法人化することについては、第9回研究大会(立教大学新座キャンパス・埼玉県新座市)開催時の平成22年8月28日学会総会において承認されました。
学会を法人化する意図は次のようなことでした。近年、国の方針もあって、一般社団法人や一般財団法人の法人格を取得する団体が増える傾向にあること。法人格を有しない学会は、社会的評価が得難いことと合わせて運営には限界があること。関係学会等との研究や活動における協働にも支障が案じられること。更に、喫緊の課題としては、学会の大きな使命である研究活動を推進するための研究費を確保する上で必要な、厚生労働省の老人保健事業推進費等補助金事業については、平成22年度事業から法人格を有しない団体は交付申請協議ができなくなったことでした。
前年度総会での承認後、新しい定款の作成に鋭意取り組んできた定款案は、理事会と評議員会の議決を経て、今年度の第10回研究大会(京王プラザホテル・東京都新宿区)開催時の6月16日の学会総会にお諮りし、承認をいただきました。総会での審議に関しては、十分にご議論いただく時間が取れないことが予測されたため、定款案をホームページに予め掲載するとともに掲載したことを周知し、出来るだけ多くの会員の皆様のご意見をいただくこととした次第です。お陰で定款は、お寄せいただいたご意見を元に完成し、公証人の認証を受けることができ設立登記に至りました。
今後の学会運営につきましては、会員の皆様の一層の努力と関係者の方々のご支援によって、学術研究と実践活動の水準の向上を図り、より公共性の高い活動を促進して参りたいと願っています。
現在、東日本大震災による津波と放射能汚染の被害者はもとより、高齢者、障がいのある人、難病患者、住む家のない低所得の人及び独居の人など、安定した日常生活を維持するためにケアマネジメントによる支援を必要としている方々が多数いらっしゃいます。どんなに有能な専門職も、こうした方々を一人では支えられません。多くの職種による協働が不可欠です。日本ケアマネジメント学会は、ケアマネジメント学の確立と実践における方向づけを急がなければなりません。学会の発展のために会員の皆様のご協力を心からお願い申しあげます。
最後に、定款の作成、公証人の認証及び設立登記等、日本ケアマネジメント学会の法人化にご尽力下さった関係者に深甚の感謝を申しあげます。
                   

平成23年年8月30日

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