日本老年医学会ではFrailty Workingが立ち上がり、代表の 荒井秀典 先生 の元、活動を
開始しております。
先ず、最初の作業としてFrailtyに対応する新しい日本語を作ることで、わが国に新しい
Frailtyの概念を
定着させるのが第一歩ではないかと考えました。

つきましては、日本老年学会に所属する会員の方々にFrailtyに対応する日本語訳を公募します。

8月末までに日本老年医学会事務局(jgs@blue.ocn.ne.jp)に日本語案をお送りただき、
Frailty Workingにて審議の上
決定したいと存じます。

お忙しいところ恐縮に存じますが、ご協力を賜りたく何卒よろしくお願い申し上げます。

 

                               「Frailty」の日本語訳募集のお願い

世界で最も高齢化が進んでいるわが国において、高齢者が機能障害(Disability)や要介護状態に至ることを予防するため、高齢者の健康状態及び日常生活機能(ADL)をよりよく理解することが求められています。老年医学の分野においては、現在Frailtyが非常に注目されています。Frailtyは高齢期に生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進し、機能障害、要介護状態、死亡などの不幸な転機に陥りやすい状態とされます。Frailtyは生理的な加齢変化と機能障害、要介護状態の間にある状態として理解されていますが、その定義、診断基準については世界的に多くの研究者たちによって議論が行われているにもかかわらず、コンセンサスが得られていない状況です。現在最もよく使われているのはFriedらによる体重減少、易疲労感、握力低下、歩行スピード低下、低活動の5つのうち3つ以上満たせば、Frailであるという基準です。しかしながら、現在多くの研究者はこのような身体的側面だけでなく、認知機能低下など精神・心理的要因や社会的な要因を含めるべきであると考えています。
Frailtyの日本語訳について現在「虚弱」が使われていますが、いずれの文字もNegativeな印象を持ち、Frailtyの持つ多面的な要素、及び身体的、精神・心理的、社会的特性を十分に表現できているとは言いがたいと思われます。また、Frailtyにはreversibilityといった側面も含まれ、Frailな高齢者を早期に診断し、適切な介入をすることにより機能障害に陥らず、生活機能が維持できることが期待されます。
すでに、ロコモ、サルコペニアは用語として定着しているように思われますが、Frailtyに関しては「虚弱」と訳される一方で、介護保険制度において二次予防事業対象者、要支援高齢者という用語が使われ、これらはいずれもFrailな高齢者として認識されているため、混乱を招いています。このような現状に鑑みて高齢化が最も進んでいる日本からFrailtyに対する概念を構築し,世界に発信する必要があると考え、日本老年医学会では数名のメンバーから成るFrailty workingを結成して諸課題に取り組むことになりました。
Frailty workingでは最初の作業としてFrailtyに対応する新しい日本語を作ることで、わが国に新しいFrailtyの概念を定着させるのが第一歩ではないかと考えました。そこで、今回日本老年医学会が中心となり、広く日本老年学会に所属する会員の方々にFrailtyに対応する日本語訳を公募することといたしました。
つきましては、大変ご多忙とは存じますが、平成25年8月末日までに日本老年医学会事務局(jgs@blue.ocn.ne.jp)まで、日本語訳の案をお送りいただければ幸いです。Frailty workingにて審議の上、決定したいと存じます。よろしくお願い申し上げます。

                                                                 Frailty Working代表
                                                                        荒井 秀典

 

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