学会設立の趣旨
介護保険制度が2000年4月から施行されました。この制度では、サービス利用者個々のニーズに応じて保健・医療・福祉にわたる多様なサービスが総合的、一体的、効率的に提供されるサービス体系の確立をめざし、サービス運用方式としてケアマネジメントの仕組みが導入されました。
ケアマネジメント機能の必要性については従来から指摘されてきたところであり、もとより、高齢者ケアの領域でのみ機能するものでも、介護保険制度においてのみ活用されるものでもありません。しかし、これまで待ち望まれたケアマネジメントの仕組みが、介護保険制度において制度化され、全国的に展開され始めたことは極めて大きな意義を持つものです。
ただ、今日においてわが国のケアマネジメントは緒についたばかりであり、その実践は試行錯誤の中にあります。また、諸外国においても理論的枠組みが十分確立されているとは言えませんし、その国のサービス実施体制によりその在り方も異なります。
今後は第一線における実践を踏まえつつ、幅広い人材の英知を結集して、わが国に適したケアマネジメントを理論化、体系化することにより、より優れた実践の指針を内外に示しつづける必要があります。
このような状況から、学際的な研究の推進、国際的研究交流の推進、技術の教育、相互研鑽、社会啓発活動を通じて、質の高いケアマネジメントを実現し、もって、支援等を必要とする人々の生活の質を高め、豊かな地域社会の創造に資することを目的として2001年(平成13年)7月14日「一般社団法人日本ケアマネジメント学会」を設立しました。